有明海の海産物・レシピ

アユ(アユ科)

アユ(アユ科)
学名
Plecoglossus altivelis
英名
ayu
地方名(方言)
アイ、アユ
主な漁場
河川中、下流域の岩盤、石礫地帯
漁期
6月〜10月
主な漁法
友釣り、投網

北海道西部以南の河川の中下流域及び琵琶湖などに分布する。このうち琵琶湖のアユを大きくならないことから特にコアユと呼ぶが、これを河川に放流すると、もともと河川に生息してるアユと同じように大きくなる。

10月から11月に河川下流の砂礫底で産卵し、産卵を終えたアユは死んでしまう。ふ化した稚魚は海へ下り、海で5cmほどに成長、3〜5月に再び河川に上ってくる。海ではプランクトンを食べるが、河川に遡上したアユは歯が櫛状に変化し、石に付いたコケ(付着珪藻や藍藻)を食べるようになる。コケは流れの速い瀬に良くはえるため、このような場所に1m2程度の縄張りをつくり、この中へ他のアユが進入してくると体当たりして追い払う。このようなアユを「なわばりアユ」と呼ぶ。アユ独特の漁法である友釣りは、この性質を利用したものである。

また、アユの数が多いと、縄張りにあぶれたアユはよどみに群をなして生息し、(群れアユと呼ぶ)、「なわばりアユ」が釣られると、よどみからそこへ順次移動する。

近年、河川には堰等が設置され、多くの河川で遡上が困難となるなどアユの産卵等に大きな影響を与えている。このため、種苗生産した稚魚やコアユ、海で採捕し中間育成した稚魚の放流が全国的に盛んに行われ、県内でも毎年主要な河川で放流されている。

夏が旬で、タデ酢を添えた塩焼きが最高だが、背ごし(あらい)や天ぷらもおいしい。アユには独特の香りがあるが、これは餌のコケによるもので、養殖ものは主に魚粉を食べているため天然魚のような香りがない。

(佐賀県水産課「佐賀のさかな図鑑」より)

前海もん有明海は干満の差が約6mあり、干潮時には沖合5〜7kmまで広大な干潟が広がります。 そこを棲みかとする生き物たちは珍しい姿・形をしていて「前海(まえうみ)もん」とも呼ばれています。