有明海の海産物・レシピ

ウミタケ(ニオガイ科))

ウミタケ(ニオガイ科)
学名
Barnea dilatata japonica
地方名(方言)
ウミタケ
主な漁場
河口沖澪筋の砂泥質域(最干潮線以深)
漁期
5〜9月
主な漁法
ねじ棒、簡易潜水器(スキューバ)

ウミタケの分布は、今日では有明海に限られる。有明海では、主に筑後川、早津江川の河口に近い干潟域から水深約10m付近の砂泥質域に生息している。海茸の字をあてるが、水管は茶褐色で非常に発達していて、太く、長い。海底では殻から伸びたこの水管の格好が茸のように見えるのであろう。食べるのはこの水管で、その内部は食欲をそそる奇麗な白色である。一方、殻の方は手荒に扱うとこわれるほど薄くてもろい。産卵期はアサリと同じ春、秋の2回だが、秋の方が主力。

4月頃の稚貝は、殻長わずか3cm足らずであるが、8月には8cm近くまで成長して、ねじ棒や簡易潜水器で漁獲される。他の貝と同じように豊凶の差が大きいが、最近では昭和59年に大発生がみられた。

ねじ棒は、長い棒(柄)の先に長さ40cm位の棒状の金具を十の字に付けたもので、この金具に長く伸びた水管をからませてとる。遠浅の有明海独特の漁具である。船上からは見えない海底のウミタケを、水管がからんだ時の手の感触だけでとるわけで、有明海で育った特殊技術と言わざるを得ない。昔の柄は樫の木で、長さは1〜2間程度のものであったが、最近は鋼製(ステンレス 製) で継ぎ手が付いて相当な長さになるものがほとんどである。浅い所から深い所まで漁獲の範囲が拡がったことを示しているが、量が少なくなったこと、商品価値が高くなったことも一因であろうか。

少し洗って生のまま適度な大きさに切り、酢ヌタや三倍酢で食べるのもおいしいが、何と言っても干物、特に一夜干しをあぶって食べるのが最高にうまい。水管がもつ本来のうま味と有明海の泥の風味が混じり合い何とも言えない味となる。また、粕漬けの材料としても利用されている。

(佐賀県水産課「佐賀のさかな図鑑」より)

前海もん有明海は干満の差が約6mあり、干潮時には沖合5〜7kmまで広大な干潟が広がります。 そこを棲みかとする生き物たちは珍しい姿・形をしていて「前海(まえうみ)もん」とも呼ばれています。