有明海の海産物・レシピ

ハゼクチ(ハゼ科)

ハゼクチ(ハゼ科)
学名
Acanthogobius hasta
英名
Brackish goby
地方名(方言)
ハシクイ、ハゼ
主な漁場
主な漁場が入ります
漁期
9〜3月
主な漁法
はぜかご、延縄、がた羽瀬、手押し網

朝鮮半島、中国沿岸、台湾にも分布するが、日本では有明海と八代海の湾奥部にのみ生息する特産魚で有明海の遊魚(釣り)の対象として有名。

日本では一番大きいハゼで、有明水産振興センターにある標本は約55cmもあり、誰もがハゼとは思わないほど大きい。有明海にも僅かではあるが生息するマハゼに良く似ており、特に15cm前後のサイズでは見た目では区別出来ないほどだが、尾鰭に小黒点列がないこと等が区別のポイントである。

産卵前の1月頃、六角川河口以西の柔らかい軟泥の干潟にY字状の大きな巣穴を掘る。産卵期は2月中旬から4月上旬頃までで巣穴の天井に生みつけ、ムツゴロウと同じように、産卵後オスだけが巣穴に残り卵の世話をする。卵は直径 1.5mm,長さ約7mmの細長い形で、ふ化まで約20日とムツゴロウに比べ約3倍も時間がかかる。卵を産んだ後、やせ細り、頭だけが異様に大きい俗に言う「流れハシクイ」となり死んで行く。寿命は1年。

肉質が柔らかく味が淡泊なため、古くから病人食、離乳食として重宝されており、普通、腹わただけを出して丸ごと煮る。晩秋から初冬にかけてが最もおいしい。

(佐賀県水産課「佐賀のさかな図鑑」より)

前海もん有明海は干満の差が約6mあり、干潮時には沖合5〜7kmまで広大な干潟が広がります。 そこを棲みかとする生き物たちは珍しい姿・形をしていて「前海(まえうみ)もん」とも呼ばれています。