有明海の海産物・レシピ
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コイチ
- 学名
- Nibea albiflora
- 英名
- White flower croaker/Drum fish
- 地方名(方言)
- キングチ、キグチ、アカグチ
- 主な漁場
- 有明海沿岸一円
- 漁期
- 6〜11月
- 主な漁法
- 固定式刺網
関西や九州ではニベ科の数種類の魚をひとまとめにして一般にグチと呼んでおり、有明海に多いのはコイチとシログチである。
グチは水からあげるとグーグーと音を出すが、これは、鰾(うきぶくろ)の外側に沿って強い筋肉が発達しており、これを振動させると、鰾が共鳴して大きな音が出るようになっているためである。この音がグチという名の由来とも言われ、また、英名に使われているcroaker(クローカー:大きな声でなく魚)、drum(ドラム:太鼓)も音に関係している。
コイチは西日本から南シナ海まで分布し、日本では有明海のほか瀬戸内海東部に多く、砂泥底に生息する。体長約40cm。やや黄色みを帯びていることから有明海沿岸ではキングチ、キグチ、アカグチと呼ばれるが、東シナ海等で大量にとられるキグチはこれとは別の種類である。産卵期は初夏から夏で、この時期には浅場にいるためノリ漁場内の刺網等で多くとられている。
シログチは白っぽく銀色を帯びているため、有明海沿岸ではシラグチと呼ばれ、また、頭の中に目玉より大きな石(耳石:平衡感覚をつかさどる器官で、ニベ科の魚は一般に他の魚より大きい)を持つことからイシモチ(石持)の別名がある。
味はたんぱくであるが、刺身、塩焼き、唐揚等でもおいしく、また、鮮度が落ちても筋肉たんぱく質が安定し、強いこしが出るため練製品、特に高級かまぼこの原料ともなっている。